はじめに
ビジネスマンに必要な普遍的スキルといわれているのがテクニカルスキル、ビューマンスキル、コンセプチャルスキルの3つです。これらはスキルのなかでもビジネス全体に関わるものとして知られています。本コラムではこれら3つについて解説します。
なぜビジネススキルが必要なのか
ビジネススキルとは、社会人になり企業で働くときに、仕事上必要になるスキルです。 新入社員として入社する前にはあいさつや身だしなみ、言葉づかいなど基本的なビジネスマナーを身につけておく必要が。
なぜなら基本的なビジネスマナーを習得していれば、ビジネススキルの中でもベースとなるコミュニケーションスキルも身につけやすくなるからです。
企業で働くことは、会社になんらかのメリットをもたらすことができなければなりません。それに必要なものがビジネススキルなのです。企業から求められるビジネススキルは時代によって変化するもの、変化しないものがあります。
テクニカルスキル、ビューマンスキル、コンセプチャルスキルは時代によって変化しないもの。その時代に求められるスキルに関しては経団連のアンケートが参考になります。
2022年経団連アンケートでみる求められるスキルとは
実務面では2022年経団連アンケートの結果が参考になるでしょう。大卒者に期待するスキルとしてあげられているのが課題設定・解決能力、論理的思考力、創造力がトップ3です。
期待する資質としては、主体性、チームワーク・リーダーシップ・協調性、実行力です。特に期待する知識としては文系・理系の枠を超えた知識・教養、専攻分野における基礎知識、専攻分野における専門知識があげられている。そして、4位には数理・データサイエンス・AI・ITに関する専門知識となっている点が興味深いですね。
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仕事をするために必要な3つのスキル〜
ビジネスマンなら仕事で評価されたいと、誰しもが考えていることでしょう。評価されるとより大きなプロジェクトを任されたり、昇進して収入がアップしたりと、働くことがより楽しくなります。
では、仕事ができる人になるためには、どんなスキルが必要なのでしょうか。
そこで今回は、ビジネスマンに必要な基本的なスキルを3つ紹介します。その3つとは「テクニカルスキル」、「ヒューマンスキル」「コンセプチュアルスキル」です。
これらはアメリカの経済学者でありハーバード大学教授のロバート・L・カッツ氏が管理者に求められる3つのスキルとして提唱したものです。
マネージャー職に就く20代後半から30代はもちろん、将来のキャリアアップに向けて若手社会人にも役立つスキルなので、ぜひ参考にしてください。
ビジネスで意識したいスキルアップ3選
テクニカルスキル
テクニカルスキルとは
テクニカルスキルとは業務遂行能力です。実務に関するスキルや知識、その熟練度のことをいいます。テクニカルスキルは汎用スキルと専門的スキルから構成されています。汎用スキルはパソコンなどビジネス機器の基本的な操作やビジネスマナーについて、専門的スキルは職種ごとの高い知識や技術についてのことです。例えば会計職なら経理や財務の処理能力、営業職ならマーケティングやプレゼンテーションの実行能力などが専門的なテクニカルスキルといえます。
テクニカルスキルが仕事で活かされる場面
職務全般にわたるほど広い範囲で、テクニカルスキルは仕事に活かされます。成果に直結しやすいので、会社からの評価対象になりやすいスキルともいえます。そのため、昇進や転職などのキャリアアップを考える際は、まずテクニカルスキルの習得を第一に考えるべきでしょう。
テクニカルスキルをアップする方法
特に専門的なテクニカルスキルの場合は、職種によって求められる能力が異なるため、日々の業務やセミナー、研修などで高める方法が中心です。
具体的な手順としては、まずは業務に関する専門用語や仕組みを理解するところから始めます。用語や仕組みを理解しないままでは、「なぜこの作業が必要なのか」がわからず、目的を持った技術の習得ができないからです。職務内容の理解をマスターしてから、実際に技術の練習に入ります。正確に行えているか、熟練者に適宜チェックしてもらうのも上達のコツです。
● テクニカルスキルとは業務遂行能力のこと
● スキルの役立つ範囲は職務全般にわたり、会社からの評価も受けやすい
● アップする方法は、日々の業務やセミナー、研修が中心
ヒューマンスキル
ヒューマンスキルとは
ヒューマンスキルとは、組織の中で良好な人間関係を築き、円滑なコミュニケーションを図る能力です。ネゴシエーション能力(自分の考えを伝えたり、提案を通す能力)や、対立する意見を調整する能力、組織のモチベーションを高める能力などで構成されています。例えばリーダーシップやコーチング、コミュニケーションといった能力もヒューマンスキルの一部です。
ヒューマンスキルが仕事で活かされる場面
ヒューマンスキルは、チームリーダーやマネージャーなど管理者のポジションで活かされます。例えば、チームで決定した事項が稟議に通るような形で提案したり、メンバー間で意見が分かれた際に双方が納得できる妥協点を見つけることは、リーダーに欠かせません。信頼できるリーダーの存在はプロジェクトの遂行に重要ですから、ヒューマンスキルを備えた人材は会社からも高く評価されます。
ヒューマンスキルをアップする方法
ヒューマンスキルで欠かせないのは、他者を尊重する心です。チームメンバーから信頼を得るには、メンバーの話に真摯に耳を傾け、考えを受け入れて共感することが大切だからです。そこで例えば仕事以外の場面でも家族や友人に感謝を伝えたり、相手の立場になって考えることを習慣づけてみましょう。
また、目標達成に向けて努力を継続する意欲や忍耐力も優れたリーダーには必要です。それらの能力も、日頃から目標を設定し計画を立てて達成に取り組むことで身につきます。
● ヒューマンスキルとは、組織の中で良好な人間関係を築き、円滑なコミュニケーションを図る能力
● チームリーダーやマネージャーなど管理者のポジションで活かされる
● 他者を尊重する心や意欲、忍耐力の向上がスキルアップにつながる
コンセプチュアルスキル
コンセプチュアルスキルとは
コンセプチュアルスキルとは、物事の本質を的確的にとらえることで個人や組織の活動効率を最大限に高める能力です。物事をコンセプト化、つまり概念化することで本質を正しく抽出し、課題の解決や目標の達成を推進します。
事情が複雑に絡んだりあいまいだったりする事象や仕組みを単純化することで、自分や他者が業務に取組みやすくするスキルといえます。
コンセプチュアルスキルが仕事で活かされる場面
コンセプチュアルスキルが活かされる場面としては、新規事業立ち上げやシステムの改革などといった大きなプロジェクトが挙げられます。そもそも前例のない仕事であるのに加えて、参加メンバーも多くなるため、予測の難しいトラブルが頻発するからです。そのとき、リーダーがコンセプチュアルスキルを発揮すれば、組織やチームがパニックになることなく業務を推進できます。
一方で、本質の見極めと効率的な手法の選択、真の課題の発掘などは、職位やプロジェクトの大小に関わらず求められる能力ともいえます。そのため経営層や管理職クラスでなくても、コンセプチュアルスキルを発揮できる場面は多いでしょう。
コンセプチュアルスキルをアップする方法
目指すのは、成功や失敗に至る法則を見つけることです。「こうすれば成功する」「こうしたら失敗する」という定義を発見できれば、目の前の事象をその定義に当てはめて因数分解することができます。事象を一から紐解こうとするのではなく、成功に至るまでの法則に事象を当てはめて本質を見極めるのです。そのためには、日頃の業務において、成功または失敗の要因を分析し、幾つかのパターンとして備えておくことが重要になります。
● コンセプチュアルスキルとは、物事の本質を的確的にとらえることで個人や組織の活動効率を最大限に高める能力
● 新規事業立ち上げやシステムの改革などといった大きなプロジェクトで活かされる
● 職位やプロジェクトの大小を問わず発揮できるスキルでもある
● 日頃の業務において、成功または失敗の要因を分析し、幾つかのパターンとして備えておくことが重要
普段の仕事でもスキルを意識しながら働こう
テクニカルスキルやヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルはいずれも、国家資格のようにテストで合格して入手するものではありません。そのため、ある意味では意識しないでもスキルが身についていることもあります。例えば「人たらし」と呼ばれる人は、自然とヒューマンスキルを習得しているということでしょう。
ただし、スキルは意識的に発揮できるからこそ価値があります。「たまたま上手くいった」では、会社から評価されません。そこで普段の仕事でもスキルの習得を意識して行動するようにしましょう。
スキルアップ成功の鍵は、成果が出るまで努力を継続すること
テストのようなゴールがないスキルアップでは、成果が出るまでいかに努力を継続できるかが成功の鍵になります。そのためにモチベーションのキープが重要なのはいうまでもありません。
モチベーションを維持する具体的な方法は
モチベーションを維持するための具体的な方法のひとつが、目標を達成した場合に自分自身にどんな良いことがあるのかを紙に書き出してみることです。併せて、未達成の場合に考えられる悪いことも書き出すと、より効果的です。他には、目標達成までの具体的な期限を決めて周囲に発表したり、日々の成果を日記につけて自分の成長プロセスを楽しむなどの方法が考えられます。
モチベーションスキルの高め方
モチベーションの波を最小限に抑えることをモチベーションスキルといいます。このスキルを高めるには、自分の行動への理由づけや動機づけを明確にすることが大切です。なぜ自分はこのスキルを習得したいのか、その理由が明確なら、毎日似たような作業が続いても飽きることなく取り組めます。また、動機がはっきりとしていれば、目標達成までの過程も楽しむことができます。
この方法はスキルアップだけでなく、仕事全般のモチベーション維持にも効果的です。
本記事のまとめ
仕事ができる人になるために必要な3つのスキルを紹介しました。プラスアルファとして、スキルアップに継続して取り組めるようにモチベーションを維持する方法についても解説しています。ぜひこれらのスキルを上手く高めて、職場で活かし、評価される人を目指しましょう。
● テクニカルスキルはマストで身につけておきたい
● リーダー職になるならヒューマンスキルが役立つ
● 経営者から若手社員まで広く活用できるコンセプチュアルスキル
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