社会人のスキルアップとは
日本で社会人とは、18歳以上の成人のことを指しますが、何らかの仕事を持ち、働いている人は、概ね社会人としてみられます。社会人のスキルアップとは、社会人として求められるビジネススキルを高めることを意味します。ビジネススキル(マネージャに必要なスキル)をハーバード大学教授のロバート・カッツはヒューマンスキル、テクニカルスキル、コンセプチュアルスキルの3つに分類しています。
対人能力のヒューマンスキル
仕事をしてゆく上で人との良好な関係構築は欠かせません。ヒューマンスキルと聞くと、話し上手や人付き合いが上手といったイメージがあるかもしれませんが、それだけではありません。時には人を説得したり、教えたり、人と関わる中で発揮するさまざまなスキルのことをヒューマンスキルととらえます。ヒューマンスキルで発揮すべき能力には次のものがあります。
- リーダーシップスキル
- コミュニケーションスキル
- ネゴシエーションスキル
- プレゼンテーションスキル
- コーチングスキル
- ヒアリングスキル
- アスピレイションマインド(向上心)
業務遂行能力のテクニカルスキル
テクニカルスキルとは、仕事遂行するうえで必要なスキルのことです。これは、仕事や役職などで異なります。それぞれ自分がすべき仕事や役割に応じたスキルを身につける必要があります。
物事を把握するコンセプチュアルスキル
コンセプチュアルスキルとは、物事を把握するスキルのことです。人はさまざまな知識や情報を組み合わせて、物事をさまざまな側面から捉えて判断します。複雑な内容であってもその概念化を行うことで、本質を導き出すことができます。そのため、コンセプチュアルスキルは概念化スキルとも言われています。主にコンセプチュアルスキルは次のようなスキルとされています。
- 問題解決能力
- 論理的思考力
- 応用力
スキルアップの具体的な方法とは
スキルアップの具体的な方法としては、何かの集団に属して、その中の役割を果たしてゆく、資格を取得する、教養を高めるなどさまざまな方法があります。詳しくは社会人がスキルアップする方法とメリットで解説しています。
ソーシャルスキルを高める情報
このカテゴリーでは社会人のスキルアップ情報をお届けします。社会人のスキルはソーシャルスキルといわれています。広義の意味では社会技能と呼ばれ、WHOでは、次の項目で表現されています。
•意思決定
•問題解決能力
•創造力豊かな思考
•クリティカルに考えていく力
•効果的なコミュニケーション
•対人関係スキル – 自己開示、質問する能力、聴くこと
•自己意識
•共感性
•情動への対処
•ストレスへの対処
人とコミュニケーションをとり、その場を和ませたり、また自分のやりたいことを実現する力とも考えられます。また「相川 充・藤田正美. (2005). 成人用ソーシャルスキル自己評定尺度の構成. 東京学芸大学紀要, 第1部門, 教育科学, 56, 87-93.」の分類では次のように分類されています(本原稿は改変しています)。
● 関係開始・・・自己紹介など、相手とコミュニケーションを始められるスキル
● 解読・・・・・コミュニケーション中に会話や表情、仕草から相手の気持ちを読み取るスキル
● 主張性・・・・相手に気分を害された時にきちんと自分の気持ちを伝えたり、自分と相手が違うことを示すことができるスキル
● 感情統制・・・感情をコントロールするスキル
● 関係維持・・・相手や場所などに応じて適切な行動をしたり、トラブルに対処したり、周囲との関係を良好に保つスキル
● 記号化・・・・身振り手振りなども交えながら自分の感情を上手に表現するスキル
このコーナーで紹介する原稿では、難しい言葉で説明するのではなく日常的な場面や考え方に合わせて実践的な知恵としてお伝えします。