一般的にAIにおけるモデルの構築とは、機械学習や深層学習などの手法を用いて、データからパターンや規則性を抽出し、それを元に予測や分類などのタスクを実行するためのモデルを作成することです。
具体的には、データの前処理、特徴量の選択、アルゴリズムの選定、ハイパーパラメータの調整などが含まれます。モデルの構築は、AIシステムの性能や精度に直接影響する重要なステップであり、適切なモデルを構築することがAI技術の発展につながります。
ChatGPTのファインチューニングにおけるモデルの選択と構築
ChatGPTのファインチューニングにおけるモデルの選択と構築とは、事前学習済みの言語モデルであるChatGPTを特定のタスクに適応させるために、そのモデルの一部を再学習することを指します。ChatGPTでは、事前学習済みのGPT-2やGPT-3などが利用されます。ファインチューニングに適したモデルを選択し、必要に応じてハイパーパラメータを調整します。
モデルの再学習手順
- 必要なライブラリをインストールする。
- テキストデータを用意する。
- 事前学習済みのモデルを読み込む。
- テキストデータを前処理し、モデルが理解できる形式にする。
- モデルをファインチューニングする。
- ファインチューニングしたモデルを保存する。
注意するポイントは以下の通り
テキストデータの量と質
ファインチューニングに用いるテキストデータは、多くかつ質の高いものであるほど、モデルの性能が向上する可能性が高くなります。
ハイパーパラメータの調整
ファインチューニングに用いるハイパーパラメータ(学習率やバッチサイズなど)を調整することで、モデルの性能が向上する可能性があります。
事前学習モデルの選択
ファインチューニングに適したモデルは、事前学習に用いたモデルと同じタスクに向いているものが好ましいです。
ChatGPT APIでモデルを構築する例
ChatGPT APIを使用して事前学習済みの重みを初期化して、タスクに合わせてモデルを構築する方法は以下のようになります。
ChatGPT APIをインストールする
PythonのライブラリであるHuggingFace Transformersをインストールすることで、ChatGPT APIを利用できます。pip install transformersなどのコマンドでインストールできます。
事前学習済みのモデルを読み込む
HuggingFace Transformersでは、事前学習済みのモデルを簡単に読み込むことができます。from transformers import AutoModelForCausalLMというコードで、自然言語生成用のモデルクラスをインポートします。次に、model = AutoModelForCausalLM.from_pretrained(“openai/chatgpt”)というコードで、ChatGPTの事前学習済みの重みをダウンロードして初期化します。
モデルにタスク固有の層を追加する
ファインチューニングするタスクに応じて、モデルに新しい層やヘッド(出力層)を追加する必要があります。例えば、分類タスクでは、Linear層やSoftmax層などが必要です。HuggingFace Transformersでは、AutoModelForSequenceClassificationやAutoModelForQuestionAnsweringなどのクラスが用意されており、これらを利用すれば自動的にタスク固有の層が追加されます。
モデルの凍結・解凍を行う
ファインチューニングでは、一部の層だけ再学習させることが多いです。そのため、再学習させたくない層は凍結(勾配計算やパラメータ更新を停止)し、再学習させたい層は解凍(勾配計算やパラメータ更新を再開)します。HuggingFace Transformersでは,model.requires_grad_(False)やmodel.requires_grad_(True)などのメソッドで,各層ごとに凍結・解凍が可能です。
以上が,ChatGPT API を使用して事前学習済みの重みを初期化して、タスクに合わせてモデルを構築する方法です.