行間を読むとは、小説や随筆などで、文章に表現されていない作者の意図をくみとることです。作者の真意を理解するともいえるでしょう。余白を読むとも表現されています。
行間が読めるようになれば、読書がより面白くなるだけでなく、洞察力なども高まるとされています。
行間を読むという表現に初めて出会った人は「行間が読めるようになりたいものだ」と思うかもしれません。本原稿では行間の読み方と考え方について記しています。
行間を読む具体的な方法とは
行間を読むとは、文章中に隠された意味や情報を読み取ることを言います。これには次のような方法があります。
- 読み手が予想することを阻害する言葉やフレーズを探します。
- 文章中に繰り返される言葉やフレーズを調べます。
- 文章中に出てくる人物や地名、時間などの詳細を調べます。
- 文章中に出てくる比喩や隠喩を調べます。
- 文章中に出てくるシンボルや隠喩を調べます。
- 文章全体の構造を分析します。
これらの方法を組み合わせることで、文章中に隠された意味を理解することができます。
行間を読むことで理解が進む
行間を読むことで、文章中に隠された意味や情報を読み取ることができるため、次のようなメリットがあります。
- 深い理解
行間を読むことで、文章中にある隠れた意味を見つけることができ、文章をより深く理解することができます。 - 読み手の主体性
行間を読むことで、読み手が自分自身で文章の意味を理解することができ、文章から得られる情報を自分自身で決定することができます。 - 文章の面白さ
行間を読むことで、文章を読むだけでなく、文章中に隠された謎を解いたり、文章の中に隠された面白いエピソードを見つけることができ、文章の面白さを増します。 - 情報の信頼性
行間を読むことで、文章中に隠れた偽情報や嘘を見つけることができ、文章の情報の信頼性を判断することができます。
行間を読むことでより面白くなる小説ジャンルはミステリー?
行間を読むことで、特に面白くなると言われる小説ジャンルは、主にミステリーやサスペンス、ファンタジー、現実主義などのジャンルです。これらのジャンルの文章には、隠された意味や謎、シンボルなどが散りばめられているため、行間を読むことで、文章をより深く理解することができます。
例えば、ミステリー小説には、犯人像や犯罪現場に隠された秘密などが描かれているため、行間を読むことで、文章中にある謎を解くことができます。サスペンス小説には、主人公や周りの人々が隠している秘密や、話の結末に向けての展開が描かれているため、行間を読むことで、文章中にある予期しない展開を見つけることができます。
また、ファンタジーや現実主義の小説にも、文章中にシンボルや隠喩が使われていることが多いため、行間を読むことで、文章中にある意味を理解することができます。
純文学では表現の意図を理解するために行間を読む
純文学においても、行間を読むことで、文章中に隠された意味や情報を読み取ることができます。
純文学作品には、豊富な描写や比喩、隠喩、シンボルなどが用いられているため、行間を読むことで、文章中にある意味を理解することができます。
例えば、詩には豊富な意味を持つ言葉が使われており、それらを使って作家の意図を伝えていることが多く、隠喩、比喩なども使われており、それらを理解することで、詩に込められた意味をより深く理解することができます。
また、小説や散文においても、作家の意図を伝えるために、隠喩、比喩、シンボルなどが使われており、行間を読むことで、文章中にある意味を理解することができます。
同じ小説家の本をたくさん読んでハマる
行間を読む方法として、まずあげられるのは同じ小説家の本をたくさん読むことです。好きな作家、小説家の作品にハマることです。いくつも本を書いている小説家でも、根底に流れるテーマは同じである場合が少なくありません。
特定の作家のファンになるのは、そうしたテーマや世界観に共鳴、共感することがあるからでしょう。登場する人物の気持ちが痛いほどわかったり、逆にもどかしく感じたりする時点で、行間を読まずとも、行間にハマっている状態かもしれません。
そうした行間にハマっている時になぜ、自分はこうもハマるのだろう? と客観的に考えてみるのです。そうすると小説家の意図が見えてくるのではないでしょうか。「あ、そういうことか!」と気づけば行間の面白さといえます。
同じジャンルの本を乱読してプチ批評する
ミステリーならミステリー、恋愛なら恋愛と、同じジャンルの本を乱読するのも行間を読むコツが見つかります。小説家によって表現方法や対象が異なるので、意識、無意識に限らずどこかで比べながら読み進めます。
そうした違いを見つけることで、それぞれの作品の趣に気づくことができます。ただ、気づくといっても、やはりそこには意識化することが必要です。
Aという作家はいつも期待を裏切ってくれる。Bという作家は、予想通りの展開でそれも楽しみなど、自分の考えを軸としてプチ批評してみるのです。それを繰り返すことで読書の軸ができてきます。
自分の考えと後書きや書評を比べるのもいいでしょう。ちなみに書評は絶対というものではありません。これも客観的にそうなんだろうか? と考えてみるのもいいでしょう。
乱読とは、あまり良い意味では使われませんが、同じジャンルに限れば、比較や検証がしやすいですし、そのジャンルの知識も広く、深くなります。
精読とは何度も読み返して行間に気づくこと
精読とは一文、一句逃さず丁寧に読み進めることです。本を読んでいてわからない言葉が出てきたらその都度辞書を調べて、読み進めます。
英語の勉強など、なんらかの学識を得るために精読することが多いといえるかもしれません。哲学書や歴史的に古い本なども知らず知らずのうちに精読になることもあるでしょう。
文や句の意味をひとつひとつすくうように読むと意味の理解が進みます。しかし、それは文章の意味であって、意図ではありません。精読は達成感があるのですが、個人的感想でいえば、なれないと非常に疲れます。
人は言葉の意味を誤って解釈していることが少なくありません。例えば、今でこそ「こだわりがある」といえば、良い意味で捉えられますが、もともとは物事に拘泥したり、取り憑かれれたりするような偏狭な意味合いで使われていました。
自分なりに解釈している意味もあるでしょう。一度精読すると少なくとも意味の取り違えはなくなります。そこから何度も読み返してみるのです。そうすると最初に読んだ時と違った意味の捉え方をする場合があります。
捉え方の意味が変わると、それも行間を読む1つの方法であることに気づきます。
報道番組の行間を読む
局の見解や解説を交えて専門的に内容を詳しく放送する報道番組があります。放送は報道などで偏りがないように法令で定められているので、一見すると偏りがないようにみられますが、視聴後感によって、報道の意図に気づくことがあります。
報道見解をそのまま受け入れるのか、自分自身で反芻して考え直すのか考える必要があります。番組は本ではありませんが、映像で流れる情報を考える間もなく消化するだけでなく、本当のことは何だろう?と考えるのです。
人の行動としての行間を読む
「行間を読む」とは、言葉や表情、態度などに現れない、相手の心の奥底にある本音や思いを推測することを指します。言葉だけでは伝えきれない情報を読み取るために、相手の視線や表情、口調、空気感などから、その場の状況や相手の気持ちを読み取ります。行間を読むことで、相手の思いを汲み取り、より深いコミュニケーションを築くことができます。ビジネスや人間関係、恋愛などの様々な場面で、行間を読む力は非常に重要なスキルとなっています。