リーダーとは、ある状況下で他の人々を導く役割を担う人物のことです。リーダーとして活躍するためには、組織やチームを指導し、目標を達成するための戦略を立案するなど、多くの能力が必要とされます。
また、リーダーとして活躍するためには、他の人がどのような意見を持っているかを理解し、他の人々のニーズを把握し、効率的な行動を起こせるようにする必要があります。リーダーとしての活躍のためには、他の人々を導くためのビジョンや思想を持っていることが必要です。
リーダーとしての活躍のためには、他の人々を励まし、動機付けることを忘れないようにする必要があります。本原稿は、リーダーシップの定義からリーダーについて考察します。
クラウセヴィッツによるリーダーシップ
クラウセヴィッツはナポレオン以降の近代戦争を初めて体系的に研究した人物で「戦争論」の著書で世界的に知られます。そこに記されているリーダーシップとは次のようなものです。
- 知性と情熱を兼ねる高度な精神
- 危険を顧みず自身の行動に責任を負う勇気
- 不確実な事態における洞察力
- 洞察に基づく具体的な行動する決断力
出典:wiki
松下幸之助によるリーダーシップ
経営の神様と言われた松下幸助は経営やリーダーのあり方について数々の言葉を残してします。その中の一節を紹介しましょう。
「人間の本質というものは変えることができない。それを変えようといろいろ努力しても無理である。というより、人間自身を苦しめることになる。だから、その本質はまずこれをあるがままにみとめなくてはならない。そして、その上でどうあるべきかということを考える。それが大切なわけである。これは人間にかぎらず、ものごとすべてについていえることであろう。
けれども実際にはなかなかそれができない。ともすれば、好きだとかきらいだとかいった感情や、自分の利害にとらわれてものごとを都合のいいように見てしまう。そうなると、真実と離れた姿しか見られないということになる。それでは正しい判断もできないし、事をあやまる結果になってしまう。
だから、指導者たるものは、できるかぎりとらわれを排して、ものごとをあるがままに見るようにつとめなければならない。そうしたあるがままの認識があって、はじめて適切な指導も生まれてくる」
出典:松下幸之助.com
ジョン・エリック・アデアによるリーダーシップの機能的行動
ジョン・エリック・アデアはイギリスの学者、著作家、教育者で組織におけるリーダーシップ論とリーダーシップ開発では世界的権威として認知されています。
チームリーダーが果たすべき役割
- 目標を明確にする : 目的に向かって、明確な目標を設定すること
- 計画と設計を行う :タスク達成のための選択肢と解決策を計画する
- ムード作り :自由闊達に意見が出せるチームの雰囲気をつくる
- コントロールする : そのメンバーによる最大の成果が出るように効率化する
- 評価する : チームや個人のパフォーマンスを評価してトレーニングする。
- 動機づけをする :外在的(報酬や奨励)、内在的(成長や自己実現)なモチベーションを高め、人が動くように工夫する。
- 組織化する :リーダーは、構造やプロセスも組織化する必要があります。変化を導くには、明確な目的と結果を出すための効果的な組織が必要だから。
- 模範となる : リーダーは個人に対しても、チーム全体に対しても、模範を示す必要がある。
※本内容は意訳です
リーダーの役割とは
3タイプの異なるリーダーシップを例にあげました。これらを読むとリーダーとしての役割の違いに気づきます。
クラウセヴィッツによるリーダーシップは、明らかに勇猛果敢でグイグイとチームを引っ張るイメージを受けます。例えば競合環境が厳しく、競り合っている市場で今まさにビジネスを展開している企業です。優秀なチームを率いて次々と目標にチャレンジしている印象も受けます。
松下幸之助の言葉の場合はどうでしょう。生まれたばかりのチームであったり、メンバー各人の能力がまだ十分引き出せていなかったり、あるいは指導者の本質的にあるべき姿という印象を受けます。
ジョン・エリック・アデアはリーダーの機能として明示していることからリーダーの教科書的スキルを分析的に解説していることがわかります。
また、いくつか共通項目があります。それらは、目標やメンバーに対する洞察力、そして物事を前に進める実行力、そしてメンバーの力を引き出す牽引力です。
リーダーとは、客観的に物事を捉えて判断する力をベースとして、目標達成やそれに向けて計画を立て、メンバー全体のコミュニケーションを図り、課題解決に向かう。このプロセスをそれぞれのチームの状況に応じて組み立てて行くのがリーダーの役割といえます。