記憶と暗記のコツは共通している
暗記や記憶は、資格試験や受験勉強中の方にとっては避けて通れません。そもそも強制的に行う暗記は楽しい作業ではない、できるなら簡単に覚える方法はないか?と考えていませんか。人によっては苦手意識があるために、覚えることが難しくなっているかもしれません。今回は、そんな方のために、おすすめの記憶術とコツをお伝えしていきます。
記憶術は次の4つの方法が基本です。
- 声に出して覚える
- 書き出して覚える
- 体を動かしながら覚える
- 人に教える・伝えることで覚える
それぞれについて、記憶術の基本編として解説します。
記憶術 基本編は五感を使って自然に覚える方法
まずは、簡単に記憶術の基本を説明していきます。記憶術の基本は皆さんにとってもなじみある方法だと思います。学校の勉強などで行ってきた方法ではないでしょうか
声に出して覚える〜耳と口と目を通して記憶する
声に出して覚える記憶術は有効です。この方法は、国語の授業の音読などの影響でいいイメージではないかもしれません。しかし、声に出すことは明らかな効果があります。
声に出して覚える過程は以下の通りです。文字は目を通して見ます。そして見た文字を、口を使って声に出します。さらに、出た声は耳に入ってきます。人間にとって重要な器官を三つも利用するのが、この声に出して覚える手法です。
黙読と比べて、脳がより刺激されることがわかります。この方法は、私が受験生のときにはよく活用していました。本当に覚えやすい記憶術なので、おすすめです。
書き出して覚える〜指の先の神経を刺激して覚える
書き出して覚えることは、多くの方が使っている主流な記憶術ではないでしょうか。先ほどと同様に、書き出して覚える記憶術を見てみましょう。
書き出して覚える方法では、目で見て、手で書きます。手の指には多くの末梢神経がとおっていて、脳に刺激が伝達されることで記憶に定着しやすいといえます。
この記憶術で注意をしたいのが、書くことが目的になることです。とにかく書くことに意味があるのではなく、一回ごとに書いて覚えることを意識するのが重要なのです。
体を動かしながら覚える〜脳を活性化して記憶を定着させる
体を動かしながら覚えることは効果的です。近頃、立った状態で会議をする会社があります。ビジネスマンは座ることが多いので、立つことで血流の巡りが良くなるのです。
その結果として短時間で集中する際に効果が発揮されるので、活用されています。これは、記憶術にも当てはまります。運動することで、脳が活性化されます。特に歩きながら覚えることはもっとも導入しやすいでしょう。
変わり種では椅子を一時的にバランスボールに変えることが挙げられます。常に不安定だと難しいので、時々取り入れるのもいいでしょう。
また運動前に軽いストレッチや運動をすることや、気分転換に散歩を行うことなども記憶の定着には最適です。
人に教える・伝えることで覚える〜記憶の基本はアウトプット
人に教えることも記憶に定着しやすい方法の一つです。学生時代には、友達同士で問題を出し合った経験がある人も多いと思います。
このような形式で、家族や同僚などに頼んで、暗記することも考えられます。選ぶ相手は覚える内容を全く知らないことがほとんどでしょう。
その場合、丁寧に説明することが求められる環境であり、適度な緊張が生まれます。そして、暗記する内容が頭の中で整理されます。そうすることで、よりいっそう記憶の定着が期待できます。
記憶術 技術編〜連想的に記憶する
続いては、記憶術の技法を説明します。こちらは、先ほどまでの基本とはうってかわって、あまり活用したことがないのではないでしょうか。技法が使えるようになれば、大きな効果を発揮します。
場所法は記憶したいことと場所を結びつける
場所法とは、内容と場所を紐づけて記憶する方法です。場所法は世界最強の記憶術といわれるほどです。場所法ではイメージを活用します。
たとえば、あなたの家にある洗濯機の場所を思いだしてください。それに対して、覚える内容を結びつけます。このように自宅などはイメージしやすいので、場所法に向いています。
また場所法で一度覚えると忘れにくい特徴があります。活用するコツは、先ほどの例のようにイメージしやすい場所に設定するのが最適です。
ここで平凡な場所を設定してしまうと、かえって覚えにくくなってしまいます。場所法には、単語などの暗記に向いています。しかし、場所法は注意点があります。それは同じ場所を別の覚えるべき内容に使いすぎないことです。
ストーリー法は物語を作成して覚える
ストーリー法とは、その名の通り物語をつくって覚える記憶術です。学生時代に、ストーリー法は自然と活用していたのではないでしょうか。
例えば、世界史や日本史は歴史の流れであるので、ストーリーのように覚えている部分もあったと思います。このように、ストーリー法の効果は理解ができるでしょう。
ストーリー法を使うときには、違和感のない話の流れをつくって覚えるべきです。その結果、無理なく自然に物語として覚えられます。ストーリー法はすでに流れとなっている内容はもちろん、法律の条文や判例などにおいても有効です。
頭文字法は印象的なイメージで覚える
頭文字法は、日常にも潜んでいるポピュラーな記憶術です。例えば、有名なグローバル企業4社の略称であるGAFAや、料理の「さしすせそ」は典型的な頭文字法だといえます。
このように頭文字法は暗記する内容を思い起こすのに向いています。ポイントは語呂合わせなどを活用して、頭文字で覚えた内容を想起しやすくすることです。
頭文字法は日本語でもアルファベットでも、どちらでもかまいません。個別に覚えなければならない内容を一つにできるので、頭文字法は楽です。
複数のものを覚えるときに、利用できます。またこの記憶術の肝は、いかに簡単に想起ができるか、です。その点を意識しておきましょう。
イメージ連結法は思い浮かぶことを連想して覚える
イメージ連結法は、思い描くイメージをつなぎ合わせて覚える記憶術です。これは場所法やストーリー法と少し似ているかもしれません。
イメージ連結法では、イメージ同士を数珠のようにどんどんつなぐので、一つのイメージとして覚えます。この点が場所法とは異なります。
また、ストーリー法はイメージ連結法を発展させたものです。イメージ連結法は記憶術なので覚えることが重要です。
イメージをつなげるときには、自分にとって受け入れやすいように進めるのがコツです。変にかしこまるのではなく、ユーモアを加えてあげるのも有効な手段です。
例として、ハサミと車を組み合わせることで考えます。大きなハサミが車に貫通している。このように、倫理観や物の大小などを無視して、イメージを自由に結合させることで記憶に残りやすいといえます。
イメージ転換法は具体的なことと結びつけて覚える
イメージ転換法とは、抽象的な内容を具体的にとらえて覚える記憶術です。要するに、イメージで理解できるように情報を転換させるということです。
イメージ転換法では、具体的にとらえる内容がポイントになります。ここは自由にあなたらしいイメージを活用するのが得策です。
適当に転換するのではなく、具体への転換ひとつひとつに意味を持ちましょう。イメージ転換法は、法律の条文や判例などの一続きの文章を覚えなければならないときに活用できます。
暗記するためのコツとは
記憶方法を基本と技法に分けてご説明しました。ちなみに今より暗記の効率をあげるためには、コツがあります。
暗記そのものを楽しむ
やはり、いやいやながら暗記すると記憶の定着にはよくないといえます。私自身は、暗記をゲーム感覚で楽しんでいた記憶があります。
ただ無理やり楽しむ方向に持っていくことは得策ではありません。とにかく楽しみ方は人それぞれだと思いますが、自分なりに暗記を楽しむ方法を模索しましょう。
そうすることで、暗記のネガティブな感情も消えて覚えやすくなります。
記憶術を組み合わせる
記憶術は、それぞれを単独で使っても十分に効果を発揮するので問題はありません。しかし、組み合わせることで効果は増幅します。
例えば記憶術の基本を例にすると、歩きながら音読をすることが挙げられます。また、ただ暗記するべき内容を見るだけでは効果がないかもしれませんが、仕上げに書いて確認することも一つの方法です。
私自身、記憶術を一つだけ活用するのではなく、組み合わせることで記憶を定着させていました。もちろん、記憶術の技法でも組み合わせはできます。また組み合わせることで、それ自体に楽しみを見いだすこともできるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、記憶術を基本と技法に分けてご紹介しました。暗記は一朝一夕ではできません。覚えるにはとにかく定期的に繰り返すことがもっとも効果的です。
思い出せることを第一に暗記することを意識しましょう。また、記憶術には向き不向きがあります。自分にあった記憶術で暗記するのが一番よいです。
それに加えて、記憶術の技法で紹介した方法は身につけるまで大変です。ご紹介した記憶術を改めて振り返って、暗記するときにぜひ取り入れてみてください。