定額制の音楽ストリーミングサービス、いわゆる「音楽系サブスク」は、いろいろな会社が提供しています。
無料で楽曲が聴けるものから、特定の音楽ジャンルに強いもの、ユニークな機能をそなえているものまで、各社ごとに特徴があります。
ユーザにとって選択肢が豊富なのはいいことですが、一方で、どのサービスが自分にとって一番いいのかわからなくなってしまいがちです。
そこで本記事では、「初心者におすすめ」「定番」「オリジナリティ」の3テーマに分けて11種類の音楽系サブスクをご紹介します。
「サブスク難民」の方は、ぜひ参考にしてみてください。
音楽サブスク初心者におすすめ
【Spotify】5000万曲以上が無料で聴ける
Spotify(スポティファイ)はスウェーデン発の音楽系サブスクで、2016年から日本でもサービスが開始されました。世界の月間ユーザーが3億人以上という、ワールドワイドなサブスクです。
聴ける曲数は、アーティストの楽曲やラジオ形式の番組などを含め5000万曲以上。その膨大な音源の全てを、なんと無料プランでも聴くことができます。有料プランにすれば、広告が表示されず、選曲やスキップ、ダウンロードも自由に行えるなど使い勝手がアップ。有料会員数は1億5000万人以上といわれています。
興味に沿ってプレイリストを探し出せる検索機能や、ユーザーの趣向を分析して曲をおすすめしてくれるレコメンド機能など、シンプルながら使いやすい機能をそなえています。
無料プランで全曲フルサイズを聴けるSpotifyは、音楽系サブスクが初めての人には特におすすめです。無料プランには期間が設けられていないので、自動的に有料プランに更新されることもありません。まずは無料プランに加入し、使い心地を試してみてはいかがでしょうか。
基本的な有料プランは月額980円ですが、学割やペア割、家族割などさまざまなプランがあります。
【YouTube Music】聴けなかった曲が見つかるかも!?
YouTube Music(ユーチューブミュージック)は、2018年からGoogleがスタートさせた音楽系サブスクです。特徴は、取り扱っている楽曲が多いこと。他のサブスクでは聴けない曲もYouTube Musicなら聴ける場合が少なくありません。痒いところに手が届かない……そんなラインナップへの不満も起こりにくいといえます。
「YouTube」と付くだけあってYouTube Musicは、音楽配信に特化したYouTubeのようなもの。無料で利用できますし、より快適に音楽を聴ける有料プラン「YouTube Music Premium(プレミアム)」も用意されています。
無料版でも、プレイリストや類似アーティスト、ヒットチャートなど音楽サブスクの基本機能を完備。うろ覚えでも曲を特定してくれる機能「スマート検索」が便利です。
YouTube Music Premiumなら、広告なしやオフライン再生、バックグラウンド再生などの便利機能を利用できます。ただし、月額料金がiPhoneユーザーとAndroidユーザーで異なる点に注意しましょう。iPhoneユーザーは、個人プラン1280円、ファミリープラン1950円。Androidユーザーは、個人プラン980円、ファミリープラン1480円と割安になっています。
【AWA】無料プランでも広告が表示されない
AWA(アワ)は、エイベックス・グループとサイバーエージェントが展開する音楽系サブスクです。オフライン再生やフルサイズ再生ができる「Standardプラン」は月額980円ですが、「Freeプラン」は無料です。
Freeプランは、広告が表示されませんし、プレイリストの作成・アップもできます。楽曲を丸ごと聴くことはできませんが、最大90秒間のハイライト再生を月20時間まで利用可能。スマートフォンだけでなくパソコンやテレビ、カーナビにも対応しているので、さまざまなシチュエーションで楽しめます。快適に操作できるスタイリッシュなインターフェイスも魅力です。
無料で利用できるならサクッと聴けるだけで十分、というライトユーザーには、ぴったりのサービスでしょう。
AWAの特徴のひとつが、再生箇所をハイライトで示してくれる歌詞表示システム。曲を聴きながら歌いたい人や歌詞を重視したい人にとって便利な機能です。
広く支持されている定番の音楽系サブスク
【Apple Music】世界が認める洗練された使い心地
Appleが提供するApple Music。一番のメリットは、Appleデバイスとの相性が良いことです。iPhoneはもちろんiPadやApple Watchでも快適に音楽を楽しめます。Apple IDでログインすれば、どのデバイスからでも聴くことが可能。iTunesから入れた楽曲も管理できます。
もうひとつの強みは、洋楽ラインアップの豊富さです。楽曲だけでなくラジオ番組も充実しており、世界に名立たるアーティストに迫る「Apple Music 1」や1980~2000年代のヒット曲を取り上げる「Apple Music Hits」、カントリー専門の「Apple Music Country」が配信されています。邦楽についても、ソニーやビクターの楽曲を取り扱うなど力を入れています。
また、無料期間は3カ月と、気軽に利用できる点もメリットです。「Apple」ということで敷居の高さを感じる人もいるかもしれませんが、Apple Musicはどんな人でも使いやすいように設計されいます。MacやWindowsのPCのほか、Android端末にも対応しています。
Apple Musicは機能面の使いやすさにも定評があります。ユーザーの興味を分析して音楽を紹介してくれる「今すぐ聴く」、プレイリストやジャンル、ランキングから曲を検索できる「見つける」などの機能がそなわっています。
一方、プレイリストは音楽に精通した人たちによってアップされており、信頼性の高いものになっています。
つまりApple Musicは、機械的なアルゴリズムによるレコメンド機能と、音楽専門家のハイセンスによるプレイリスト機能、それら両面を兼ねそなえる洗練された音楽系サブスクといえるでしょう。
【Amazon Music Unlimited】Echoプランなら月額380円
Amazon Musicは、4つのサービスを展開しています。
- Amazon Music Free:無料で利用できるが、多くの機能制限がある。
- Prime Musi:プライム会員は追加料金なしで利用可能。曲数は約200万曲。
- Amazon Music Unlimited:月額980円で7000万曲が聴ける。
- Amazon Music HD:最大850kbpsの「ロスレス音質」で音楽が聴ける。
ここでは、③Amazon Music Unlimitedをご紹介します。
7000万曲以上というラインナップを誇り、プレイリストやおすすめ、オフライン再生、ラジオなどの機能も充実しているAmazon Music Unlimitedは、バランスのよい音楽系サブスクといえるでしょう。Amazon通販で購入した音楽も管理することができます。
加入プランも、個人向けや家族割、学割などが揃っています。中でも目を惹くのが月額380円のEchoプラン。Amazon Echo(アマゾンエコー)というスマートスピーカーを使って利用できる最安料金プランです。Echo端末1台で音楽を再生できます。
Amazon Music Unlimitedはプライム会員でなくても加入できますが、プライム会員であれば、個人プランとファミリープランで2カ月分お得になる年額払いを選択することができます。
【Rec Music】邦楽に強いレコチョク時代からの老舗
レックミュージックは、レコチョクが提供するサービスで、かつては「旧レコチョクBest」の名で親しまれていました。【レコチョク公式サイト】ハイレゾ音源(Hi-Res)の音楽ダウンロード
2019年「Rec Music」としてリニューアル後、従来の聴き放題サービスやMyプレイリスト、Myアーティスト、お気に入りなどの機能に加え、ミュージックビデオやライブを視聴できる機能や、アーティストのランキングチャンネルなどが新設されました。
Rec Musicの特徴は、何といっても邦楽ラインアップの豊かさでしょう。とりわけJ-POPのジャンルに強く、国内レーベルの配信曲のほとんどを取り扱っています。また、1500種類以上にわたるプレイリストは、どの世代にも楽しめるように細分化。一度聞いた曲は自動でキャッシュされるため、オフライン再生用にダウンロードする手間も省けます。
オリジナリティを活かした音楽系サブスク
【dヒッツ】できるだけ安く抑えたい人に
有料プランに入りたいけど費用を抑えたい! そんな人には、NTTドコモが提供する月額500円の「dヒッツ」がぴったりかもしれません。音楽サブスクの月額料金は平均すると1000円前後。そんな相場の中、dヒッツは半額です。スマートフォンやタブレット、パソコンなどで利用でき、スマートスピーカーにも対応しています。
dヒッツの特長は、プレイリスト単位で聴くスタイル。6000以上のプレイリストから選択し、フルバーションの音楽を楽しめます。
【Rakuten Music】楽天ポイントを活用できる
楽天が手がけるRakuen Musicは、楽天ポイントとの親和性が高い音楽配信サービスです。曲を再生したりプレイリストを作ったりすると、楽天ポイントを獲得できるようになっています。Rakuten Musicを利用するには、楽天IDの取得が必要。1つのアカウントがあれば、複数台の端末で利用できます。
Rakuten Musicには、聴き放題の「スタンダードプラン(月額980円)」と、月20時間まで聴ける「ライトプラン(月額500円)」があります。注意点はApple ID決済。Apple ID決済だと、スタンダードプランは月額1080円となり、ライトプランには加入できません。
【ANiUTa】アニソンを聴くならこれ!
ANiUTa(アニュータ)は、全ラインアップ10万曲がアニメ関連というアニメソング専門の音楽配信サービスです。「アニメソング」「ゲームミュージック」「ゲームソング」「ボーカロイド」「特撮ソング」といった多彩なジャンルが揃い、楽曲名やアーティスト名のみならずアニメ作品のタイトルからも検索できる仕組みは、アニソン専門サブスクならではでしょう。
プレイリストも独特で、年代や声優、作詞・作曲家ごとに整理されたオフィシャルリストのほか、一般ユーザーが作成したニッチな視点のリストもアップされています。
ANiUTaでは、声優ライブやアニメイベントなどのチケットも先行受付しています。アニメライフのパートナーとして、ANiUTaは最適のサービスかもしれませんね。
【KKBOX】アジア音楽のプラットフォーム
KKBOX(ケーケーボックス)は台湾発の音楽配信サービスで、国内では2013年から運用がスタートしました。最大の特徴は、アジアの音楽が豊富なこと。日本でも人気のK-POP(韓国の大衆音楽)に強いだけでなく、C-POP(中華圏の大衆音楽)のラインアップは世界最大規模といわれています。他のサービスでは聴けなくてもKKBOXなら聴けるアジアンミュージックがたくさんあります。
オリジナリティ溢れる機能もKKBOXの特徴です。「Listen with」という機能を使えば、オンラインの友人やアーティスト、芸能人と同じ音楽を聴きながらチャットすることができます。
ライブやコンサートも、生配信もしくはアーカイブで視聴可能。360°パノラマやVRの映像を臨場感たっぷりに楽しめます。
再生2回目からはオフラインでも楽しめる自動キャッシュ(ダウンロード)も、KKBOXの便利機能のひとつです。4000曲まで端末に保存され、古いものから順に削除されます。このほか、歌詞のハイライト表示や曲検索などの基本機能もしっかりしています。
【LINE MUSIC】着信音や呼出し音、トークBGMに設定できる
LINE、ソニー・ミュージックエンタテインメント、エイベックス・デジタルの3社が立ち上げたLINE MUSIC株式会社による音楽系サブスクです。7400万曲以上を取り扱っています。
何よりの特徴は、楽曲とLINEを連携させられること。お気に入りの曲をLINE無料通話の着信音やプロフィールのBGMなどに設定できます。また、LINE友だちと楽曲をシェアし、トーク画面やタイムラインから聴くこともできます。
LINE MUSICの料金プランには、月額960円(年間9600円)の「プレミアム」と無料の「フリー」があり、プレミアムには学生割引や家族割引もあります。無料プランは、楽曲再生30秒やオフライン再生不可など機能制限がありますが、着信音やトークBGMへの設定機能を使うことができます。
おわりに
実は私自身、サブスクで音楽を聴きながら、この記事を作成しました。流していた曲はゲームのサウンドトラックです(歌詞入りの曲やトーク番組だと、いろいろな言葉を耳が拾ってしまい執筆に集中しづらくなります……)。
自分が好きな音楽を背景曲にすると、仕事もはかどる気がします。作業用BGMとしても音楽サブスクは便利です!
好きな音楽ジャンルや行動パターン、お財布事情など、ご自身のライフスタイルに合わせて、音楽系サブスクを活用してみてはいかがでしょうか。