不思議な謎マナー
謎マナーといわれる不思議な慣習がビジネス社会では数多く残されています。必要、不要は別としてもそうしたマナーを大事にする人たちがいるのも確かです。何かの折にさりげなく謎マナーを発揮すれば「気がきくやつ!」と評価されることもあるはずです。本原稿では、そうした謎マナーを集めてみました。
ビジネスマナーとして認めるか、否かという謎マナー
取引先で出されたお茶は飲み干す?それとも手をつけない?
このマナーに関は、時間とともに変化しました。昔(30年前)は、できるなら手をつけないという風に教わりましたが、今は、きちんと飲み干すのがマナー的。もっとも飲んでも、飲まなくてもマナー違反ではなさそう。
着席を促されるまで、座ってはいけない?
面談の人(顧客)が来るまで着席しないマナーは確かにありました。受付の人に案内された時「お座りください」といわれても、座ることなく、面談の相手が来て、着席を促されてからはじめて着席するというもの。
座っていても、面談相手がくると立ち上がって挨拶するので、立ったり座ったりするのが面倒で立ちっぱなしというのが正直なところではありました。
メール後に電話連絡
メール後に電話をするのは、メールを仕事で使い始めた90年代は普通にありました。これはマナーというより、メールを見る習慣があまりなかったからだと思います。
もし、今の時代に強制的にあるなら、首を傾げますが、重要なデータに関わるなら、二重確認という意味ではありかもしれません。マナーではないですね。しかし、最近ではメールはセキュリティ面から使いづらいなあと感じます。
名刺交換後は、名刺入れの上に置く
名刺交換して、すぐに名刺入れに入れてしまうのはマナー違反と聞いたことはあります。実際、複数の人と名刺交換した後は、机の上は名刺だらけというのは、今でもよく見る光景です。マナーというより相手の名前を間違えないようにするというのではアリです。
名刺入れの上に貰った名刺を置くのは特にマナーというものではないでしょう。複数の場合はどうするの?ってことがあるから。
名刺入れを出したり、ひっこめたりするのもせわしいので機能的なことではないでしょうか。そもそも名刺をビジネスアイテムとして重視する国は限られているそう。
テレワークのリモート会議で上司の位置は上に配置
リモート会議での席次なんて、考えたこともなかったのですが、こうしたものにも上下関係をつけるのは、多様化社会とは名ばかりだとしかいいようがありません。しかし、これも多様性のうちというのであればありかもしれないですね。
テレワークでもマナーというものが確立されているそう
- カメラを見て話す
- 周囲の音がしない環境を選ぶ
- あいづちはしっかり行う
- 背景の写り込みは少なく
- 姿勢に気をつける(背筋をのばす)
- 服装はビジネスで
- 身だしなみ(男性:寝癖・ヒゲ、女性:化粧)
- 退出時はおじぎしながら
- 目上の人が退出するまで出ない
テレワーク中の服装アンケート
出典:PRTIMES
打ち合わせ前のムダ話
マナーというのか、商習慣というのか、ミーティングなどで仕事の話から始めない人が一定数います。仕事の話は一切ぜずに最後に「じゃあ、あの件はそれでお願いします」みたいな会話です。
女性の化粧
定型的になんでもマナーとするのはおかしいものです。マナーの基本とは相手に不快感を与えないこと。それができていれば、ビジネス上では問題ないとされていますが、中には揚げ足取り、重箱の隅をつつくような人がいるのも事実。
お客様は神様です
お客様が上という思想。これが、やはり最大の謎マナー。お客様を通じて、いろいろなことを学び人生の形成に役立っているというならわからぬでもなし。
しかし、なかには「こっちは、お金を払っている客なのだから!」とお客様=金という考えから上下の関係を強いる人がいます。
人生という限られた時間を使っている視点でみると、時間を費やすしている方が下というのは解せない話です。
エスカレーターの片側あけ
ビジネスマナーではありませんが、急ぐ人のためにエスカレーターの片側を空ける。これは今も健在です。私は長いエスカレータなどは、あえて空いている方を選んで、前の人と距離を開けることがあります。スマホを見るので、安全性確保のためです。
twitterからひろった謎マナー
今回の謎マナーブームの火付け役はやっぱりお辞儀ハンコですね。ハンコを傾けるという話は笑い話で聞いたことはありましたが、役所や銀行では立派なマナーだとか。
本当は認めたくないけど、仕方がなくハンコを押すときは、その意思表示として逆さにするというのもあるらしい。謎かどうかは別として、人間っぽくていいかもしれないですね。
ただ、若いうちは小さいハンコを使い、年齢を経るほど大きなハンコにするとかは聞いたことがあります。ハンコとは違いますが、位牌をつくるときは先祖より小さくすると聞いたときは、米粒くらい小さくなっちゃうな。とか思いました。
宛名の殿、宛を書き直すのも今だに健在のマナーといいますか、配慮や謙譲の精神ですね。
一般家庭の話としてマナーがあります。玄関と勝手口が昔は普通にあったのですが、銀行マン、営業マンなどは、勝手口から入るのが常識でした。
私が子供の頃は普通の商習慣で、子供ごころに「なんで、みんな裏(勝手口)からくるのかなあ」なんて思ってました。
かつて新入社員にとって、エレベーターのボタン前は戦場でした。ボタン前をキープして開のボタンを押す役割をいか奪取するか。しょーもないことでテンションをあげていました。
酒席のマナーは今も健在?
とっくりでお酌するときは注ぎ口からするのはNG
これの起源は、諸説ありますが、謎ですね。酒宴でいわれたことはありません。地域によって違うのかもしれません。マナーには、何か起源があるかと思うのですが、不明瞭なことならあまり意味はないはずです。一度、試してみますが。
ビールのラベルは上にして注ぐ
マナー、所作として普通にいわれることです。ビールといえば、昔はキリンラガー、今はアサヒのドライが定番。ドライが世に出たときは、話題性もあって、ラベルを意識していた記憶があります。銘柄がわかると、それが話題になるからです。日本は、いろんなところで所作が求められるので、そのひとつでしょう。
酒席マナーいろいろ
しかし、酒席のマナーはいろいろあります。注いでもらうときは両手でグラスを持つ、乾杯のときは、目上の人よりグラスを下にする(目上の人とグラスを合わせるときは、相手より低く)など。目上の人に「手酌でやります」と言われても、その通りにしない。相手のグラスを空にしてはいけない(逆にグラスのお酒が減らないと、もう飲まないの合図)とか。お酒が飲めなくても、最初の一杯は口をつける。ビールなどを注ぐときは両手で・・・
マナーは相手次第、だけどほんとに出世を目標にするなら
おかしなマナーだと思っても、それを守るべきだと考えている人がいるのであれば、無視するより、知っておく方が日本のビジネスでは有効です。マナーとして使われるようになることの多くには、その本質があります。
お辞儀ハンコは目上の人を敬うという精神です。もともとは儒教の礼に通じることなのでしょうが、それが自然であり、自分のポリシーを左右するものでないのであれば、ビジネスの習慣として割り切るのも方法です。
しかし、本当にビジネスで成功するには、常識をブレイクする力も必要。そんな時にマナー違反と考えて、行動をしぼませる必要はありません。新しいことを始めるには、覚悟をもって臨まなければならないこともあります。
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