社労士とは人事労務の専門家
社労士とは、労働基準法や労働社会保険諸法令の専門知識を生かし、法に則った給与計算や人事労務などを行う専門家です。事業の健全な発展、および労働条件や職場環境の改善を業務の目的としています。一言で表すなら、労働問題や年金問題、社会保険のプロフェッショナルなのです。
社労士資格は国家資格であり、取得すれば一生ものです。また、社労士の資格勉強で得た「年金」や「健康保険」に関する知識は自分のライフプラン設計にも生かせることができるでしょう。
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社労士資格の取得方法
社労士の資格試験を受験するには、以下の3つのうち、いずれかの条件を満たす必要があります。
- 短大卒と同等以上の学歴がある
- 社労士や弁護士の業務の補助に通算3年以上従事していた
- 行政書士や厚生労働大臣が認めた国家試験に合格している
社労士の資格試験は、毎年1回、8月の第4日曜日に行われます。合否発表は11月上旬です。
社労士の資格試験に合格した後は、全国社会保険労務士会連合会の名簿に登録する必要があります。しかし、登録のためには労働社会保険諸法令に関する実務を2年以上経験するか、全国社会保険労務士会連合会が実施する「事務指定講習」の受講を修了する必要があります。
社労士の資格取得にかかる費用
社労士資格の取得にかかる費用は、取得までの学習方法によって異なります。勉強方法は大きく分けて「独学」、「通学講座」、「通信講座」の3つです。
独学の場合は、テキストや過去問集、予想問題集など書店でそろえる教材費がかかります。総額は3〜5万円程度と最も安価な方法です。社労士試験の勉強を通学講座で学ぶ場合は、一般的に20万円程度かかります。また、通信講座だと7万円〜9万円が相場です。社労士資格の合格率は6.4%程度のため、取得のハードルは高めです。費用を抑えつつ効率よく学習を進めたい人には、「通信講座」が適しているでしょう。
受験料は15,000円と国家資格の受験料としては平均的な金額です。ただし、試験合格後も全国社会保険労務士会連合会への「登録手数料」や「登録免許税」など10万円程度の費用が発生します。2年の実務経験に代わる「事務指定講習」を受ける場合は、講習代にも7万円程度かかるため、受験前に必要経費を試算しておくと安心です。
社労士の仕事内容とは
社労士の仕事内容は、1号業務、2号業務、3号業務という3つの業務に分けることができます。特に1号業務と2号業務は「独占業務」となっており、社労士のみが行うことができると法で定められています。
1号業務 申請書類等の作成
1号業務とは、労働保険や社会保険の新規加入と脱退などの手続き、労働保険の年度更新の手続き、健康保険の傷病手当金や出産手当金などの給付申請手続き、各種助成金申請手続きなどを指します。いずれも社労士の独占業務であり、社労士以外が取り扱うことができません。
2号業務 帳簿書類の作成
2号業務とは、労働基準法で定められている就業規則の書類や労働者名簿の書類、賃金台帳の帳簿書類などの作成です。1号業務と同じく、社労士の独占業務のため社労士以外が取り扱うことはできません。
3号業務 コンサルティング(相談対応や指導)
3号業務とは、労務管理その他の労働に関する事項および労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項についての相談や指導のことです。近年では、外国人労働者に対する問題や非正規社員の雇用に関する指導の機会が増えているようです。
社労士という資格は単体ではなく、たとえば行政書士など他の資格と組み合わせること業務の幅が広がります。どんな資格と組み合わせれば提供価値を高めていけるのか、ぜひ調べてみてくださいね。