はじめに 〜悩める30代が、より生きやすくなるために〜
30代に入ったものの、この先に迷いがある……。そんな人は実は多いのではないでしょうか。もちろん、職場で責任のある仕事を任されるようになったり、家庭を持つようになったりと、人生のステップアップを実感している人はいるでしょう。しかし一方で、仕事や職場に限界を感じ、あるいは結婚がうまくいかないなど、将来に不安を感じている人も少なくないと思います。
そんな悩める三十路の人にとって、より生きやすくなるための手立てが「スキルアップ」。この記事では、30代のスキルアップに役立つさまざまな資格をご紹介します。人生の岐路に立ち、転職などの方向転換を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
あなたは、実はすでに幾つものスキルを習得している
「スキルアップ」という歯切れの良い言葉に、うさん臭さを感じる人もいるかもしれません。
そもそも「スキル」自体、あいまいな言葉です。でも、生きていくための技術と訳してしまえばどうでしょう? 少し取っつきやすくなりませんか。
「スキルアップとは、生きる技術を磨くこと」と言っても、まだ難しく、大変な感じがしますね。でも、実はあなたはすでに幾つものスキルを習得しているんです。
なぜなら、今こうして記事を読んでいただいているのですから。
文字を読むスキル、インターネットを使うスキルが習得できているということですよね。言葉を話す、お箸で食べる、さらには体を洗う、ふとんをかぶるといったことも、生きるために欠かせない立派なスキルです。
資格を取って、生きるべき方向を定める
仕事のスキルも、鉛筆やお箸など私たちがいつしか身につけている日常の動作と本質的には同じです。慣れないうちは覚えるまでに時間がかかりますが、自分に必要な技術なら、きっと身につくはず。そうやって習得したスキルを人に証明できるものが、資格です。
スキルを身につけて資格を持つと、その分、生きやすくなります。「自分はそんなに意識高くない」と敬遠しては、もったいない。むしろ資格は、楽に生きるための手段です。取得さえすればそれで万事が解決! というわけではありませんが、仕事の選択肢は、確実に増えます。身につけた知識や技術が財産になることは、言うまでもありません。
以下にご紹介する資格5種は、それほど専門の知識・技術がない人でも比較的チャレンジしやすいものです。自分に合った資格は、あるでしょうか。
今から取得しても活躍できる資格5選
① 日商簿記
経理処理や決算書作成などの実務的な資格です。簿記資格には日商簿記・全商簿記・全経簿記の3種類がありますが、最も有名なのが日商簿記です。初級・3級・2級・1級があります。即戦力として認められやすいのは2級といわれています。試験は年3回(1級は2回)もあるので、自分のペースで学び、トライしやすい資格です。
求人条件に簿記資格を設けている会社が多いのは、どんな企業にも簿記が必要不可欠な業務だから。簿記1級を取得すれば税理士や公認会計士も受験できるようになります。
② FP(ファイナンシャル・プランニング技能士)
いわばお金の専門家。個人の資産運用や相続から、企業の資金計画や税金まで幅広い知識を活かし、アドバイスを行います。金融や不動産など活躍の場も多岐にわたります。
FP資格には2種類あります。FP技能士(国家資格)とCFP・AFP(民間資格)です。おすすめは、生涯有効なFP技能士。3級〜1級のうち2級からが、求人でアピールしやすいといわれています。
近年は、自分のライフプランニングのためにFP資格を取得する人も増えています。FPの知識は、仕事だけではなく人生を守るためにも役立つことでしょう。
③ MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
「WordとExcelを使える人」という求人条件は常識になりました。そんな現代社会で強力な守護神となるのがMOSです。WordやExcel、PowerPointなどを使いこなせることが証明できます。書類作成やデータ管理、メール対応など事務全般で役立つスキルを習得できるため、MOSを社員教育として取り入れている企業も少なくありません。
MOSの一番のメリットは、パソコンスキルがしっかり身につくこと。資格取得の対策学習を通じて、オフィスソフトを操れるようになります。
MOSは世界で通じる国際資格です。取得すると、世界共通の認定証が発行されます。
④ 医療事務
デスクワークが得意だったり体力に自信がない人は、事務系の資格を考えてみてはどうでしょう。「医療事務」の資格は、女性に人気があります。医療施設での事務職は、年齢を問わず安定して働ける仕事だからでしょう。
医療事務資格には大きく分けると4種類あります。どれも民間資格です。
・医療事務認定実務者(全国医療福祉教育協会)
・医療事務技能審査試験/メディカルクラーク(日本医療教育財団)
・医療事務 管理士技能認定試験(技能認定振興協会(JSMA))
・診療報酬請求事務能力認定試験(公益財団法人日本医療保険事務協会)
初心者向けの資格は、合格率99%ともいわれる「医療事務認定実務者」。接遇をはじめ医療制度や業務の内容、診療報酬の知識、診療報酬明細書の作成といった医療事務の基本スキルを証明します。
中級者向けの資格が、受付業務や診療報酬請求事務業務のスキルを証明する「医療事務技能審査試験[メディカルクラーク]」。40年以上の歴史がある資格です。
これら4資格以外にも、取得のハードルが低めの医療事務系の資格があります。療事務認定実務者(R)(全国医療福祉教育協会)や、ホスピタルコンシェルジュ(技能認定振興協会)などです。
そのほか人気の資格には、調剤薬局事務(残業が少なめで家事育児とも両立しやすい)や介護事務(それほど体力を使わずに、長く安定して働ける)などがあります。
⑤ 保育士
保育士は人手不足です。買い手市場なので、資格を取得すれば就きやすい仕事であるといえます。
保育士は国家資格です。取得するには2つのルートがあります。1つ目は「大学や短大で所定の単位を修めて卒業し、保育士資格を得る」。2つ目が「保育士試験に合格する」です。
2つ目のルートは、保育士養成学校を出ていなくても保育士になれるため、保育士へ転職したい社会人に開かれた道ともいえます。実技は「音楽」(ピアノ・ギター・アコーディオン)、「造形」、「朗読」から2つ選択するので、楽器演奏を回避することも可能。逆に、1つ目のルートを選ぶ人のほとんどは楽器から逃げられません。多くの学校ではピアノ科目の単位が必修だからです。
保育士の仕事は、きついわりに給与は安いといわれてきましたが、自治体ごとに手当を支給するなど待遇は改善されつつあります。
体力に自信がある人には、歯科助手や介護福祉士実務者研修、ケアマネージャーなどの資格もおすすめです。
● 日商簿記
・即戦力として認められやすいのは2級
● FP(ファイナンシャル・プランニング技能士)
・おすすめは、生涯有効なFP技能士。3級〜1級のうち2級からが、求人でアピールしやすい
● MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
・書類作成やデータ管理、メール対応など事務全般で役立つスキルを習得できる
● 医療事務
・初心者向けの資格は、合格率99%ともいわれる「医療事務認定実務者」
・中級者向けの資格は、受付業務や診療報酬請求事務業務のスキルを証明する「医療事務技能審査試験[メディカルクラーク]」
● 保育士
・買い手市場なので、資格取得で就きやすい仕事であるといえる
・自治体ごとに手当を支給するなど待遇は改善されつつある
おわりに
自分にフィットする職業が見つからない、今のままでは暮らしが安定しないなど、仕事に対する悩みを抱えている30代の人は、意外と多いのではないでしょうか。なかには、仕事以外の事柄で生きづらさを感じている人もいることでしょう。
泳ぎたいけど泳げない場合、浮き輪があると便利ですよね。すぐに泳げるようになるわけではありませんが、少なくともしばらくは溺れずに済みます。うまくいけば、そのうち自力で泳げるかもしれません。
スキルや資格も、浮き輪のように考えてみてはいかがでしょうか。スキルアップで、自分の悩みが全面的に解消するわけではないにしても、とりあえず気持ちが楽になるかもしれません。
30代は人によっては、人生の潮の目の変わり時。「ああ、泳げない」という場合は、焦らず無理のない範囲で、資格を、浮き輪代わりに使ってみませんか。自分のペースでぷかぷかと、元気になれるまで、人生の海に浮かんでみてもいいと思いますよ。
これから期待できる仕事について「ネット時代に注目される新しい仕事30選」でまとめいますので、ぜひご一読ください
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