はじめに
本記事では宅建の資格を副業に活かす方法を紹介しています。
国家資格である宅建資格を持っていると高単価の副業を受けやすいのが最大の特長です。週2日、1日4時間を副業にあてるだけで、年に100万円以上の副収入を得ることも可能です。
そこで本記事では、副業として行える代表的な宅建業務を、具体的な事例も併せて紹介します。
また、宅建士として副業を行うことは、将来の独立準備にもつながります。
不動産業界で独立開業を考えている人も、その準備として副業からはじめてみてはどうでしょう。
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宅建士が副業におすすめの理由
宅建が副業におすすめできる理由は、単価の高さ以外にもあります。それは、「安定性」、「将来性」、「社会背景」の3つです。ひとつずつ紹介していきましょう。
おすすめ理由①仕事の需要が豊富で、報酬の相場も安定している
不動産の契約に関する業務には、宅建士でなければできない「独占業務」があります。
重要事項説明 | 契約締結にあたっての様々な重要事項を買主や借主に対して説明する。 |
重要事項説明書(35条書面)への記名・押印 | 重要事項の説明書に誤りがないかを確認し、記名・押印する。 |
契約書(37条書面)への記名・押印 | 契約内容記載証明書に誤りがないかを確認し、記名・押印する。 |
3つはいずれも、公正な取引・契約を行うために特に重要なものです。そのため、それらを独占業務として手掛ける宅建士の重要性も大きくなります。
だからこそ、仕事の需要は豊富で、報酬の相場も安定するのです。代えの効かない職業ゆえに、不当に安い報酬で働かされる可能性は少ないといえます。むしろ、頑張ったぶんだけ稼げることのほうが多いでしょう。
おすすめ理由②将来の独立開業に向けて実戦経験を積める
宅建の資格試験を受けるにあたって、恐らくほとんどの人が知識を丸暗記したことだと思います。脳にインプットした法律などの知識を実際に仕事に活用するには、場数を踏むことが大切です。
本業で宅地建物関連業務に就いている場合、いつも通りに仕事をこなすだけでも場数を踏むことができると思いがちです。
しかし、「会社の看板を借りての仕事」と、「すべての責任を自分で背負ってでの仕事」とでは、ひとつの経験から得られる学びは大きく異なります。
例えばお客さんと交わす世間話ひとつにも、副業として会社の看板を外して仕事をするとなれば神経を張り巡らせることでしょう。
そのような「真剣な場」を数多く踏むことで、知識を応用的に活用できる力が身につきます。その力は、本業はもちろん、将来の独立開業にも大きく役立ちます。
おすすめ理由③テレワークの普及で、より副業がしやすく
2017年10月1日から、賃貸借契約における重要事項説明をリモートで行えるようになりました。
これをIT重説といいます。対面と同程度の説明・質疑応答が行えるように、パソコンやテレビ電話によるリモート環境を整える必要があります。
新型コロナウイルスの流行によってテレワークのハードルが下がった今後、IT重説の機会はいっそう増えると考えられます。
契約の場に宅建士を派遣する必要がなくなるのは、不動産会社にとってもメリットです。重説のみ外部の宅建士に発注するという企業も増えてくるでしょう。ま
た、在宅でできる仕事が増えれば、宅建士側としても副業に取り組みやすくなります。
ネットの開業サービスやオリジナルサイトを作成して集客する
さまざまなサービスを自分で行う副業といえども宣伝は必要です。特にスマホ時代の今はスマホとPCの両方でアピールできるWebサイトは必須。
Webショップやサイトを作成するなら、ネットショップが手軽に開設できるXserverショップ や、CMでもおなじみのBASE などがおすすめの他、スキルをアピールして副業として稼げるココナラ などの利用を考えましょう。
忙しくて時間がない方はコンテンツ制作をまるごと頼めるサブ丸もおすすめです。サブ丸は楽しみワークスの運営会社が制作するので安心できますが料金が事業者レベル。
月額77,000円〜なので事業化して本格的に始める際に検討してみたいサービスです。
副業の種類と報酬の相場
独占業務の代行
副業としてまっさきに挙げられるのが、「重要事項説明」、「重要事項説明書(35条書面)への記名・押印」、「契約書(37条書面)への記名・押印」の代行です。
不動産業界の繁忙期にあたる1月〜3月や、内覧や契約が集中する週末に需要が高まります。
IT重説の活用が増えるであろう今後は、独占業務の代行の機会はますます多くなるでしょう。
週末に在宅で副業をしたいと考えている人にはおすすめの仕事といえます。
独占業務の代行は、発注元の会社から時給で雇用されるケースが一般的です。時給の相場は900円〜1,500円です。
宅建資格講座の講師
資格講座の講師も、副業の代表です。宅建の資格試験の受験者は毎年20万人以上で、合格率も約15%と難易度が高いため、専門学校に通ったり講座を受講する人が少なくありません。
そのため、不動産業界と同様に、資格講座業界でも宅建士は安定したニーズがあります。
また、専門学校に通う生徒の多くは社会人なので、授業は夜間に行われることが多くあります。平日の本業が終わったあとに副業をしたいという方におすすめです。
副業として講師をする場合は、アルバイトとして専門学校に雇用されるケースが一般的です。時給の相場は3,500円〜4,000円です。
ライティングやアフィリエイトブログの運営
不動産売買の知恵や賃貸に関する知識は、数あるWeb記事の中でも人気のジャンルです。もちろん、宅建資格取得に関するニーズもあります。そのため、宅建士の中にはWebライターやブログ運営者として活動する人も珍しくありません。
Webライティングの相場は、1文字1円以上は十分に見込めます。1文字0.3円、0.5円の案件があることを考えれば、比較的高めの報酬をもらえるといえます。
ブログ運営の場合、収入はアフィリエイトになるので、明確な相場を出すのは困難です。うまく軌道に乗せることができれば、どの仕事よりも大きな旨味を狙えます。
手堅く稼ぎたいという方は「時間が余ったときに」ぐらいの軽い気持ちで取り組むのがよいでしょう。
宅建アルバイトの収入を求人情報でチェック
まず、宅建士として副業には、実際にどのような案件があるのか、事例で見ていきましょう。(情報は2021年5月末時点のものです)
indeed(インディード)とタウンワークで事例紹介
indeedやタウンワークでは、アルバイトやパート、もしくは業務委託という形での求人が中心となります。じっくりと腰を据えて副業をしたいという方におすすめです。
賃貸の宅建事務
- 業務内容:重説業務や契約書作成など
- 雇用形態:アルバイト・パート
- 勤務時間・曜日:1日3h・週2日〜、土日祝のみOK
- 報酬:時給1,300円〜
事務・資料整理スタッフ
- 業務内容:資料整理や物件入力、重説業務
- 雇用形態:アルバイト・パート
- 勤務時間・曜日:1日3h・週2日〜、土日のみOK
- 報酬:時給1,030円+宅建手当 月2万円
宅建資格の対策講座講師
- 業務内容:大学生を対象とした資格対策講座の講師
- 雇用形態:業務委託
- 勤務時間・曜日:応相談(週1日〜 OK)
- 報酬:時給3,000円〜5,000円
クラウドワークスでの事例紹介
クラウドワークスではアルバイトのような継続雇用ではなく、案件ごとに仕事を請けるものが中心です。自分のペースで仕事をしたい方や、いろんな案件を経験したい方におすすめです。
居住マンションの賃貸仲介
- 仕事内容:契約時の説明業務(在宅ワーク可)
- 報酬:1件(所要時間の目安 約15分)あたり、3,000円
不動産調査から重説・契約書作成業務
- 仕事内容:不動産仲介の調査業務から売買契約書・重要事項説明書の作成
- 報酬:1案件あたり、24,000円(調査のみ、売買契約書・重要事項説明書作成のみの場合は、各12,000円)
不動産関連の記事作成
- 仕事内容:不動産に関する投資や税金、保険に関する記事(3,000文字)作成
- 報酬:1文字あたり、1.5円(継続依頼の場合は1文字あたり1.8円〜2.5円)
仕事を探すなら→クラウドワークス
宅建を活かして副業するときの注意点
副業をする際の絶対的な注意事項として、「本業で勤務している会社で、副業が禁止されていないこと」があります。
それに加えて宅建士の場合には、他にも注意点が存在します。違反すれば資格剥奪になるケースもあるので気をつけましょう。
資格取得後に、宅建士の登録を行う
宅建士の資格は、試験に合格した時点ではまだ仕事に用いることができません。合格後、都道府県に申請を行い、登録証明書と宅建士証を受け取って、はじめて宅建士業務に従事できるようになります。
なお、宅建士登録の申請には、過去10年間で2年以上の実務経験がある、ないしは、国土交通大臣が指定する登録実務講習を受講する、という条件があります。
名義貸しは厳禁
宅建の資格を持っていると、不動産業者から「名義だけ貸してほしい」と言われることがあるかもしれません。宅地建物関連の事業所を運営するには、規模に応じた数の専任宅建士が必須だからです。
そのため、例えば突然の離職などで宅建士の数が不足した場合に、「名義だけ貸してくれないか」と声をかけるのです。
自分の名前を貸すだけでお金が入ってくるので、いかにも美味しい仕事のように感じます。
しかし、実際に業務にあたっていないのにも関わらず「専任の宅建士」と名義を貸すことは法律違反に該当し、次のような刑罰が与えられます。
宅建士 | 宅建資格の取り消し、および、3年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
事業者 | 指導・業務停止処分または事業者免許取り消し、および刑事罰を認められた場合は、代表者に3年以下の懲役または300万円以下の罰金 |
もしも違反してしまった場合は、事業者だけでなく、宅建士にも懲役または罰金の重い罪が課されます。何より、せっかく取得した資格が取り消されてしまいます。
国家資格の保持者として「知らなかった」では済まされないため、名義貸しの副業には手を出さないようにしましょう。
おわりに
本記事では、人気の国家資格である宅建を副業で活かす方法と、具体的な仕事の事例を中心に紹介しました。
アルバイトでも1,500円近い時給を見込めるなど、高単価な仕事を得やすいのはさすが国家資格だけありますね。
不動産会社に勤めている人には、「会社に言われて取得した」という方も多いと思います。でも本業以外で資格を眠らせておくのは、もったいないです。
せっかく取得したのなら、ぜひ副業で活かすことを考えてみませんか?
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