はじめに
本記事では、DX時代における企業経営のマネジメントについて記しています。
働き方改革は、経営環境を厳しくする要因だと考えている経営者は少なくないのではないでしょうか。仕事が趣味は危険!会社の信用問題でしかないで取り上げているような休暇取得や雇用の多様化への対応は容易ではありません。
しかし、いつまでも過去のやり方にとらわれるわけにはいきません。社会の変化に応じてマネジメントを変えないとやがて淘汰されることになるからです。経営者の仕事はまさに成長の仕組みづくりにあります。
DX時代のマネジメントは、経営の本質から考えてみる
DX時代のマネジメントは構想からはじめる
どの企業も企業成長のために銀行から十分な融資を受けられるとは限りません。むしろ、成長より存続が課題であり、運転資金の調達を金融機関に求めがちになります。そのために、社員のためだけを考えた制度を設けたり、新しい仕組みづくりにコストをかけるのは、現実的には難しいかもしれません。
順調なときでも、投資より手持ちの現金を増やすことを優先して、社員の生活の質を向上させるまで手が回らないのが実情ではないでしょう。それが、結果として社員の長時間労働や休暇をとらない企業体質を誘引しているとしても改善策を打ち出すのは容易ではありません。
しかし、3年後、5年後の経営はどうでしょうか。
「経営の本質とは何か?」「中小企業の成長戦略とは何か?」などを考える間もなく、日々、現場とマネジメントの両輪で忙しいだけで終わらせていいのでしょうか。
前例型経営からハイブリッド経営への転換
企業を成長させることを前提にするなら、雇用形態の多様化をはじめ、業務委託先の増大、または絞り込み、IT化などの検討は企業規模に関わらず必要です。
例え、従業員が数人であっても、専門業務型裁量制を取り入れる、仕事のプロセスを見直す、業務委託で対応するなど、様々な方法が考えられます。各種補助金(経済産業省)を活用するのも方法です。
今まで踏襲してきた人材活用方法を良い方向へと転換することは、企業のDX戦略にも位置付けられます。加えていば、経営者の意識が変わることで社員の意識が変わり、それが、企業の成長エンジンになることがあるからです。
人材活用方法や雇用形態の多様化は、企業を成長させる経営者やマネジメントに携わる人が通る道だといえるのです。
DX時代は成長し続けるマネジメントをベースにする
確かにプライベートがないほど、会社のために働く社員は経営者にとっては宝のような存在です。特に中小、零細企業では、そうした人材は会社の屋台骨になっているかもしれません。しかし、会社を成長させる意味においては、そうした社員に頼るだけでは、どこかでムリが生じます。
今から数十年先、経営者が中高年になり、バリバリ働く役員も同様に中高年のまま、他の社員は頼りにならないと感じるばかりでもよいものでしょうか。
企業の成長を望むなら「できる社員像」の考え方そのものを多様化させることも必要です。業務委託が上手な社員、社外にネットワークが広い社員、第一印象がいい社員など、それぞれ隠れた特性があるかもしれません。そうした特性を日頃の面談などで把握することも大切なマネジメントです。
単に休ませることが休暇の本質ではない
それぞれに応じた働き方、休み方を柔軟に考え、社内の制度を整えてゆくのは、経営者などのマネジメントに携わる人の使命でもあるはずです。将来を見越し、今のあるべき姿を一つずつでも経営の中に取り入れてゆくことが経営マネジメントのあるべき姿です。
大きく成長している企業とは、社員の個性を伸ばしていると企業であると同時に、経営者自身も成長する企業ではないでしょうか。
最近では取引条件に雇用状況(ワーク・ライフ・バランス等の推進に関する書類)などの明示が求められる場合があります。大手企業の実践を雛形として、自社に落とし込むことも企業の成長過程では必要です。
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おわりに
企業の成長は、経営者の成長なくては、達成できるものではありません。規模が小さいということは、それだけ小回りが利くという強みがあります。DX時代の波に乗り遅れるどころか、一歩も二歩も先に進むことも可能なはずです。